
イギリスの伝説的ロックバンドQueen(クイーン)。
彼らの代表的な作品で、近年、自伝映画のタイトルにもなった「ボヘミアン・ラプソディ」の意味はご存知ですか?
ボヘミアン(Bohemian)は、チェコ(かつてのボヘミア)の住人やボヘミア語のことですが、転じて放浪者、常識や因習・伝統にとらわれない人という意味で使われることもあります。
では、ラプソディとはいったい何のことでしょうか。
この記事では、ラプソディの意味や音楽的な特徴を簡単に解説するとともに、ラプソディの代表曲をご紹介します。

ラプソディとは?
ラプソディは、日本語では狂詩曲(きょうしきょく)と訳される、民族的または叙事的な内容を自由な形式で表現した曲のこと。
性格的小品(キャラクターピース)のひとつで、ロマン派時代以降に多く作られました。
高揚した感情を熱狂的かつ情熱的な楽想で表現し、様々な曲調や既存のメロディを取り入れているのが特徴です。
ラプソディの代表的な作品「ハンガリー狂詩曲第2番」
ラプソディと言えば、リスト作曲の「ハンガリー狂詩曲」でしょう。
曲名の通り、リストは祖国ハンガリーの古くからある民謡をモチーフにしたつもりですが、実は民謡ではなく割と新しい音楽で、作曲された当時から「リストは勘違いしている」と言われていたことは有名な話。
それでも、クラシック音楽の名曲であることには変わりありません。
「ハンガリー狂詩曲」は全部で19曲ありますが、特に「第2番 嬰ハ短調」は非常に有名なので、聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。
ジプシー音階風の主題と、軽快なメロディが融合され、1曲の中に様々な表情が見られ、聴きごたえも弾きごたえも抜群の作品です。
カデンツァ部分もあるので、編曲者や演奏者による違いも楽しめます。
また、この曲は1947年に公開されたアニメ映画「ピアノ・コンサート」(「トムとジェリー」)でも使われています。
(このアニメを再現している方の動画をご紹介します。)

ラプソディの可能性を広げた「ラプソディ・イン・ブルー」
忘れてはいけないラプソディの名曲と言えば、ガーシュイン作曲の「ラプソディ・イン・ブルー」です。
「ブルー」は青ではなくジャズのことで、直訳すると「ジャズによる狂詩曲」という意味になります。
ガーシュインはジャズをアメリカの民族音楽と考え、このような曲を作ったのかもしれません。

ラプソディをその他の性格的小品と聴き比べよう!
記事の冒頭でもご紹介した通り、ラプソディは性格的小品(キャラクターピース)という音楽ジャンルのひとつです。
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性格的小品(キャラクターピース)とは?主な種類と特徴まとめ【音楽のジャンルを分かりやすく解説!】
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性格的小品は自由な発想によって作られた、ピアノのための短い楽曲のことで、ラプソディ以外にもスケルツォなど様々なジャンルがあります。
各曲の特徴と詳細は以下のリンクよりご覧ください。
性格的小品

以上、この記事ではラプソディの由来や特徴、代表的な作品をご紹介しました。
少しでも皆さんのお役に立てていれば幸いです。