鑑賞授業

ヴィヴァルディ作曲「春」のポイントを元中学校音楽教師が解説!

元中学校音楽教師のめりーです。鑑賞教材のポイントを解説します。

TV番組や式典などで耳にすることの多い、ヴィヴァルディ作曲の「春」

中学校音楽の教科書に掲載されているので、今まさに授業準備をしている、テスト勉強中という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ヴィヴァルディ作曲「春」のポイントを解説しますので、参考にしていただければ幸いです。

「春」の授業実践例はこちら

ヴィヴァルディ作曲「春」のポイント

「春」を鑑賞する際におさえておきたい主なポイントは以下の5つです。

①正式名称は「春」ではない

②演奏楽器は弦楽器が主軸

協奏曲というジャンルである。

リトルネッロ形式で構成されている。

ソネットがキーポイント。

では各ポイントについて詳しく説明します。

①正式名称は?

」はヴィヴァルディが作曲した「和声と創意の試み」というヴァイオリン協奏曲集の中の第1曲で、正式名称は「協奏曲第1番ホ長調 RV 269」です。

和声と創意の試み」では、第1曲が「」、第2曲が「」、第3曲が「」、第4曲が「」の情景を表しているので、総称して「四季」と呼ばれていますが、作曲者自身がそのように称したわけではありません。

教科書にも『「四季」より「春」』と書かれるほど世間には浸透していますが…

②演奏楽器は?

「春」の一般的な楽器編成は以下の通りです。

独奏楽器:ヴァイオリン
合奏:ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、チェンバロ

春演奏楽器

ヴァイオリンを中心とした楽器アンサンブルだということが分かりますね。

③協奏曲とは?

協奏曲とは、独奏楽器(群)と合奏によって演奏される曲のこと。(コンチェルトとも言います。)

独奏楽器がピアノなら「ピアノ協奏曲」、ヴァイオリンなら「ヴァイオリン協奏曲」と呼ぶのが一般的です。

この曲が誕生した当時、協奏曲のほとんどは「リトルネッロ形式」と呼ばれる形式で作られていました。

では、リトルネッロ形式とはどのような形式のことなのでしょうか?

④リトルネッロ形式とは?

リトルネッロ形式とは、リトルネッロと呼ばれる主題を何度も挟みながら進行する形式のこと。

協奏曲では、リトルネッロを全合奏で、リトルネッロに挟まれた部分を独奏楽器(群)が演奏します。

詳しくは、イラスト付きで解説しているこちらの記事をご覧ください。

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春(第1楽章)」の場合、「春がやってきた」というソネットで表される旋律が主題(リトルネッロ)です。

では、ソネットとは何でしょうか?

⑤ソネットとは?

ソネットとは、14行からなる詩のことです。

「春」にはソネットが付いていて、各ソネットの表す情景を音楽で表していることが、この曲の最大のポイントです。

詳しくはこちらの記事で解説していますので、合わせてご覧ください。

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「春」のソネットの作詞者は分かっていませんが、ヴィヴァルディ本人が作詞したのでは?とも言われているようです。

300年以上も前の話なので真相は闇の中ですが・・・

ヴィヴァルディ作曲「春(第1楽章)」をイラストで表してみた!

ここまでの話を踏まえ、各ソネットの情景を表したイメージと曲の構成(演奏形態)をイラストで表してみました。

矢印に沿って曲は進んでいきます。

春イラスト

なんとなくご理解いただけたでしょうか?

このイラストを見ながら「春(第1楽章)」を聴くと、イメージや曲の構成がつかみやすくなると思います。

まとめ

さて、この記事ではヴィヴァルディ作曲「春」のポイントを元中学校音楽教師の目線で解説しました。

協奏曲やリトルネッロ形式の演奏方法については、実際の演奏の様子を見る方が理解しやすいので、まだご覧になっていない方は、ぜひ一度見てみてくださいね。

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