この記事では、歌舞伎や能などの日本の伝統芸能を授業で扱う際のポイントをご紹介します。
あくまで「私だったらこうするよ!」という内容ではありますが、授業準備にお悩みの先生方の参考になれば幸いです。
日本の伝統芸能とは?
日本の伝統芸能は、西洋文化が入ってくる前から受け継がれてきた芸術と技能のことを言います。
歌舞伎や雅楽など音楽に関するものだけでなく、漆器や和歌、相撲など様々な分野のものが伝統芸能とされています。
伝統芸能を授業で扱う際のポイント
①伝統芸能の魅力を知る
授業で教えるにしても、まずは自分自身が各伝統芸能の特徴や魅力を知っていなければ何も始まりません。
実際に見たことがあるのとないのとでは、授業での説得力が違うので、まず鑑賞することが最初のステップだと私は考えます。
そして、鑑賞した際に気が付いたことや疑問に思ったことなどを調べるのが次のステップになります。
おそらく生徒も同じ部分に引っかかると思うので、その部分を授業に取り入れると、より分かりやすい授業になるのではないでしょうか。
②授業の主軸を決める
音楽の授業では、1つの題材についてほんの数時間しか扱えないので、伝統芸能の特徴や魅力すべてを伝えきることは難しいです。
ゆえに、ある程度授業の軸を決めることが大切だと思います。
例えば、雅楽を題材とする場合、1時間目は雅楽の概要説明や管絃で用いられる楽器紹介、2時間目は「越天楽」の鑑賞というように、「管絃」を軸とした授業を行うなど
何を軸とするかは、題材目標や前後の授業、生徒の実情などによって異なるので、適切なものを選ぶことが重要です。
③特徴や魅力を押し付けない
伝統芸能に限ったことではないのですが、人の感性はそれぞれなので、同じ音楽を鑑賞しても違う感想をもつのは当然のことです。
特に伝統芸能は、馴染みのない旋律や音色が多いので、苦手意識をもつ生徒もいますし、心地よいと感じる生徒もいます。
そんな時に、「歌舞伎は迫力があってかっこいい」「能の舞は美しい」など、先生自身の主観が前面に出てしまうと、生徒の感じたことが台無しになってしまいます。
そうならないよう、教師主導ではなく、生徒の気付きを中心に授業を進めるようにすることが大切だと思います。
④用語の読み方を常に意識する
例えば、能でシテがかける「面」は、「おもて」と読みますが、慣れていないと、ついつい「めん」と言ってしまいがちです。
せっかく生徒に「おもて」と教えているのに、先生が「めん」と言えば元も子もないので、慣れない読み方の用語がある場合は、説明時に少し意識すると良いです。
⑤ワークシートの穴埋めは減らす
ワークシートを作成する際に、大事な用語の部分を穴埋め形式にする方は多いと思います。
しかし、伝統芸能で使われている用語は"篳篥"など漢字が難しい場合もあり、授業内で穴埋めさせると、それだけでかなりの時間が取られてしまいます。
授業のほとんどを、ワークシートの穴埋めで終わらせてしまうのはもったいないので、特に伝統芸能の場合は、穴埋め箇所を減らすのがおすすめです。
まとめ
さて、この記事では私の教員経験を基に、日本の伝統芸能を授業で扱う際のポイントをご紹介しました。
ざっくりとした内容ではありましたが、お役に立てていれば幸いです。
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