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音楽史

バロック音楽のポイント(特徴と代表的な作曲家)をざっくり解説

元中学校音楽教員めりーです。

西洋音楽史は、その歴史的背景や音楽の特徴から、以下のような歴史区分で説明されることが多いです。

西洋音楽の歴史区分

今回は、この中のバロック音楽のポイント(音楽の特徴や代表的な作曲家)をご紹介します。

ぜひ、ひとつ前の時代(中世・ルネサンス)と合わせてご覧ください。

中世・ルネサンス音楽のポイント(特徴や代表曲)をざっくり解説

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【音楽史】を題材とした授業の進め方やワークシートは以下のnote(有料)で紹介しています。

バロックはいつの時代のこと?

16世紀末~17世紀初頭にかけて急速に発展した文化(美術や建築など)を総称してバロック芸術と呼びます。

その中で、西洋音楽の歴史区分においては、オペラの誕生(1600年頃)からJ.S.バッハの死(1750年)までとされることが多いです。

バロック音楽のポイント

オペラの誕生がバロック時代の始まり

ルネサンス時代の多声音楽は、全員がメロディを歌うので、誰が何を歌っているのか分かりづらい状態でした。

そこで、「メロディ(主役)と伴奏(脇役)に分けよう!」と、和声を重視した多声音楽が発展しました。

同じ頃、イタリアの貴族の間で「ギリシャ悲劇を復活させよう」という動きが起こっていて、それが多声音楽の発展と合わさって、オペラ(歌劇)が生まれました。

このオペラの誕生が、バロック音楽の始まりだと言われています。

バロックは「ゆがんだ真珠」

この頃、ルネサンス時代まで権力を持っていた教会は衰退し、政治や文化の中心は王や貴族へ変化していきました。

すると、音楽も貴族の趣味の一つとなり、音楽家たちは、貴族に雇われて作曲・演奏する宮廷音楽家となり、収入を得るようになりました。

この頃の音楽は、貴族が好むような派手で豪華な印象で、そのゴテゴテとした装飾を揶揄する言葉として、「ゆがんだ真珠」という意味のバロックと、後世の人々は呼ぶようになったそうです。

器楽の発展とオーケストラの誕生

これまでは教会で歌われる声楽作品が主流でしたが、楽器の性能や演奏技術の向上により、器楽作品が発展するようになりました。

クラシック音楽の定番、「カノン」(パッヘルベル作曲)もこの頃に生まれました。

また、器楽が発展したことにより、オペラのバックミュージックでしかなかった管楽器群に注目が集まるようになりました。

これが、オーケストラの始まりです。

協奏曲の誕生とヴィヴァルディ

「メロディと伴奏に分けよう!」という音楽の流行りと、器楽の発展が合わさって誕生したのが協奏曲(コンチェルト)です。

協奏曲とは独奏と合奏のための器楽曲のことで、かの有名な「四季」も、この時代に生まれたヴァイオリン協奏曲です。

ちなみに、この曲を作ったのは、「協奏曲の父」と称されるヴィヴァルディ

彼はバロック音楽を代表する作曲家の一人ですが、宮廷音楽家として働く以外にも、司祭や理髪師としての顔も持っていたようです。

なぜバッハが「音楽の父」?

バロックを代表する作曲家と言えば、「音楽の父」と称されるJ.S.バッハです。

クラシック音楽には欠かせない存在ですが、なぜ「音楽の父」と呼ばれているのか、少し解説します。

前述のオペラや協奏曲がイタリアで生まれたことから分かるように、バロック時代まではイタリアが音楽の中心地でした。

そんなイタリアで発展した音楽を、ドイツで取りまとめ、次の時代(古典派)につなげたのがJ.S.バッハです。

つまり、ハイドンベートーヴェンなど古典派の作曲家たちにとっては、J.S.バッハこそが音楽の始まりであり、「音楽の父」というわけです。

彼の代表曲は本当にたくさんあります。

その偉大な功績を称え、バッハの死がバロック時代の終わりとされています。

ヘンデルと市民演奏会の催行

もう一人、バロック時代の作曲家で忘れてはいけないのが、ヘンデルです。

↓こちらの「ハレルヤ」を作曲した人物です。

彼はバッハと同じ年にドイツで生まれましたが、経済大国イギリスに活動の拠点を移し、市民に向けてオペラの演奏会を行うようになりました。

そして、今では当たり前の入場料やコンサート出演料で収入を得るというスタイルを確立したのです。

ヘンデルのように市民演奏会を行えるようになったのも、革命により市民の力が強まったことが影響していると考えられます。

この頃から、音楽は貴族のものから市民のものへと変化し、古典派時代と呼ばれる時代に突入するのです。

まとめ

さて、この記事ではバロック音楽の流れやポイントをご紹介しました。

↓改めてまとめるとこんな感じ

バロック音楽の特徴

かなりざっくりとした内容ではありましたが、参考になっていれば幸いです。

\各教材の進め方や活動例はこちら/

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