滝廉太郎のエピソードと代表曲

音楽史

滝廉太郎はどんな人?5つのエピソードと代表曲

元中学校音楽教師のめりーです。滝廉太郎について解説します。

日本を代表する作曲家、滝廉太郎

顔は見たことがあるけれど、いまいち何をした人かよく分からない」という方も多いのでは?

そこで、この記事では滝廉太郎にまつわる5つのエピソード代表曲をご紹介します。

滝廉太郎について知りたい方や、授業で話せるネタをお探しの方のお役に立てれば幸いです。

滝廉太郎はどんな人?

まずは、簡単に滝廉太郎についてご紹介します。


(画像はWikipediaより)

滝廉太郎

●1879年~1903年 東京生まれ

●「荒城の月」や「箱根八里」など今なお歌い継がれる名曲を生み出した、日本を代表する作曲家

滝廉太郎について、「音楽の教科書に載っている人」「丸メガネをかけた地味な人」くらいの印象しかない方も多いと思います。

ですが、ただの「眼鏡をかけた作曲家」ではありません。

実は、日本の音楽史にとてつもない革命を起こした人なんです!

そんな滝廉太郎にまつわる5つのエピソードをご紹介します。

滝廉太郎にまつわるエピソード

史上最年少で東京音楽学校に入学!

地方官であった父の影響で、廉太郎は幼い頃から神奈川県富山県大分県へと転校を繰り返し、各地で音楽の素養を身に付けていきました。

中でも、本格的に音楽の道に進む決意を固めたのは大分県での話。

というのも、当時通っていた直入郡小学校高等科には、当時はまだ珍しいオルガンが置かれていました。

(画像はWikipediaより)

オルガンの魅力に取りつかれた廉太郎は毎日のように練習にのめりこみ、その才能を開花させるのです。

そしていつしか音楽の道を志すように…

ところが、父は猛反対

そんな時、廉太郎の力になってくれたのは叔父の大吉でした。

「天分を全うさせることが、本人のため」という叔父の一言が決定打となり、廉太郎は史上最年少の15歳で東京音楽学校(現・東京藝術大学)に入学することになります。

そして、東京音楽学校在学中は特にピアノ演奏でその才能を発揮し、19歳で本科を首席で卒業したのち、研究部に進みます。

日本で初めて○○した人!

当時の日本では、西洋音楽を取り入れる動きがあり、外国のメロディに無理やり日本語の歌詞を当てはめるのが主流でした。

ところが、これが歌いにくいと不評だったため、文部省は、中学唱歌の作曲家を募集することに。

その中の課題のひとつが「荒城の月」(土井晩翠作詞)です。

廉太郎は、日本独自のヨナ抜き音階(5音)ではなく、西洋音楽の音階(7音)でメロディを作り、応募しました。

ヨナ抜き音階と西洋音楽の違い

これが、当時の人からすれば、今までの常識を覆す大革命!

瞬く間に国内外から賞賛を得ることになります。

こうして、廉太郎は、日本で初めて西洋音楽を取り入れた作曲家として有名になりました。

日本の音楽が、西洋音楽に、そして今の日本のポップスに一歩近づいた瞬間ですね。

ちなみに、日本で初めてピアノの独奏曲を作った人でもあります。

そのピアノ曲がこちら。「メヌエット」です。

ドイツ留学はたった5ヶ月…

東京音楽学校で優秀な成績をおさめていた廉太郎は、ドイツのライプツィヒ音楽院(メンデルスゾーン設立)に留学します。

しかし、留学からわずか5ヶ月後、結核を患い、志半ばで日本に帰国することに…

帰国後は、父の故郷である大分県で療養しますが、体調は回復することなく、23歳という若さでこの世を去りました。

当時、結核は不治の病として人々から恐れられていたため、廉太郎の死後、多数の作曲(楽譜)が焼却されてしまったそうです。

最期の作品は「憾(うらみ)」

そんな廉太郎の遺作は、「憾(うらみ)」というタイトルのピアノ曲です。

これは、誰か特定の人を恨んでいるわけではなく、「まだまだやりたいことがあったのに悔しい」というこの世への未練を表現していると言われています。

モテ男だったのでは?

さて、日本の音楽史において、いかに重要な存在かがお分かりいただけたかと思います。

ですが、実は東京音楽学校時代、音楽と同じくらいテニスに夢中になっていたそうです。

テニスは今でこそメジャーですが、当時は日本に伝わってまだ間もない頃でしたので、そういった意味では最先端の人だったと言えます。

音楽もスポーツもできて、新しいことにも果敢に挑戦する姿に、世の女性たちはメロメロになっていたかもしれませんね。

最後に、滝廉太郎の代表曲をご紹介します。

滝廉太郎の代表曲

23年という短い生涯の中で、廉太郎が残した作品はわずが34曲。(「メヌエット」と「憾」以外は全て声楽作品)

その中で「滝廉太郎と言えば!」という代表曲を3つピックアップしました。

「荒城の月」

日本で初めて作られた西洋音楽で、哀愁漂う旋律が、世の儚さを表す名曲。大分県竹田市にある岡城をイメージして曲を作ったそうです。

→「荒城の月」歌詞の意味や作曲背景などのポイントを総まとめ!

→中学音楽「荒城の月」歌唱授業実践例(指導案とワークシート)

アカデミー賞を受賞した映画「ラ・ラ・ランド」の中でも、使用されていました。

原曲とは雰囲気がかなり異なり、非常におしゃれにアレンジされていますね。

「花」(組歌「四季」より)

春の隅田川の情景を表した名曲。東京都の墨田区では「区民の愛唱歌」に指定されており、浅草駅の発車メロディーにもなっています。

→「花」(武島羽衣作詞/滝廉太郎作曲)の歌詞の意味を分かりやすく解説!

→中学音楽「花」歌唱授業実践例(指導案とワークシート)

「箱根八里」

「荒城の月」と同じく、中学唱歌のひとつですが、こちらはヨナ抜き音階で作られています。

箱根の山の険しさやと、それを越えていく人々のたくましさが描かれ、行進曲風のリズムが特徴です。

他にも「お正月」や「雪やこんこん」、「鳩ぽっぽ」なども有名です。

まとめ 滝廉太郎は日本音楽の革命児!

この記事では滝廉太郎にまつわるエピソードと代表曲をご紹介しました。

改めてまとめると、

滝廉太郎まとめ

という、すごい大業を成し遂げた人なんですね。

今の日本の音楽があるのは、滝廉太郎のおかげと言っても過言ではありません。

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