元中学校音楽教師のめりーです。音楽を形づくっている要素の意味を解説します。
音楽の授業では、曲に対してのイメージや感情と音楽を形づくっている要素との関わりを考えさせる場面が多いですよね。
ですが、音色やテクスチュアなど分かりづらい用語もあり、説明に苦労している先生も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、中学校の学習指導要領で示されている音楽を形づくっている要素8つを簡単にご説明します。
→小学校学習指導要領で示されている要素の解説
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音楽を形づくっている要素とは?
音楽を形づくっている要素とは、音楽を特徴づける要素や音楽の仕組みのこと。
中学校音楽科学習指導要領で示されている音楽を形づくっている要素は、
音色、リズム、速度、旋律、テクスチュア、強弱、形式、構成
の8つです。
音楽を形づくっている要素8つ
音色とは?

※声の場合は声色(こわいろ)とも言います。
音色は、声や楽器の音の質・音の感じのこと。
笑顔や泣き顔といった表情があるように、音にも様々な表情があり、それにより聴き手が受ける印象も大きく異なります。
何か物を触った時の感覚と似ていて、「やさしい音色」「かたい音」「やわらかい音」などと表現します。
リズムとは?

リズムは、拍や拍子、間などの時間的構造のこと。
様々な長さの音と休止の組み合わせによって「細かいリズム」や「はねるようなリズム」などに印象が変わります。
→拍子とは?拍って何?意味や違いを分かりやすく解説!
速度とは?

速度は、演奏するスピードやその変化のこと。
音符1つあたりの時間の長さが大きく関わっていて、短ければ速く、長ければ遅く感じます。
その曲が速いか遅いかによって聴き手の受ける印象は大きく変わるので、曲の雰囲気を左右する大きな要素の一つだと言えます。
速度は作曲家によって指示(楽譜の最初に提示)されていますが、曲の途中で変化したり、同じ曲でも指揮者や演奏者によって異なったりします。
旋律とは?

旋律は、音階や調、フレーズなどの音のつながり方のこと。
単なる音の高低変化ではなく、リズムを伴って連続的に連なることで生み出されます。
音楽の授業では主旋律と副旋律を捉えたり、「ゆるやかな旋律」「音の上がり下がり」などと表現したりします。
→音階とは?主音との関係やルールを解説!
→調とは?長調と短調の違いや簡単な見分け方
テクスチュアとは?

テクスチュアとは、音や旋律の重なり方や組み合わせ方のこと。
物を触った時の表面上の質感や感触なので、一見音色と似ていますが、
音色:その音本来の感じ
テクスチュア:音色も含めた様々な要素が織り合わさった時の感じ
という違いがあります。
様々な高さや音色の音が何層にも重なり合っている場合は「分厚いテクスチュア」などと表現します。
強弱とは?

強弱は、音量の大小とその変化のこと。
音が大きいか小さいかを相対的に捉えるものですが、単なる大小だけでなく、音色など他の要素と合わさった際の印象も含まれます。
例えば、小さい音でも弱弱しく頼りないと感じるものがあれば、逆に静けさの中の張り詰めた空気という印象を受けるものもあるといった具合です。
形式とは?

曲の決まった形や音楽としてのまとまりを総称して形式と言います。
曲によって細部は異なりますが、「○○形式とはこういうもの」と、ある程度形が決まっています。
様々な形式の中で、中学校の鑑賞授業で学習する形式は以下の3つです。
構成とは?

反復・対照・変化などの音楽の組み立て方を構成と言います。
例えば、「ボレロ」では何度も同じリズムが繰り返されていますが、それも音楽の構成を工夫した一つの例だと言えます。
まとめ 繰り返しの説明で定着を!
さて、この記事では中学校の音楽授業で意識する音楽を形づくっている要素それぞれの意味を簡単にご説明しました。
中には難しい言葉もありますが、年度初めにしっかりと説明した上で、繰り返し授業の中で伝えれば大丈夫!
生徒にとって馴染み深い言葉になるよう、積極的に発問の中に含めたり、音楽室に掲示したりと工夫できると良いですね。
「掲示物を準備する時間がない!」という方は、ぜひこちらのnoteからダウンロードしてお使いください。
\指導案・ワークシートのダウンロードはこちら/

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