この記事では、教材研究の具体的な方法(進め方や着眼点)をご紹介します。
あくまで「私だったらこうするよ!」という内容ではありますが、参考になれば幸いです。
-
【音楽の先生になる方へ】まず読んでほしい記事まとめ
続きを見る
音楽科における教材研究の進め方
step
1実際に演奏したり鑑賞したりする
まずは対象となる教材を歌ったり鑑賞したりします。歌唱教材については自分で歌ってみるだけでなく、ちゃんと範唱も聴きます。
step
2気が付いたことや感じたことを箇条書きにする
演奏または鑑賞後、自分がその教材について感じたことや気が付いたことを箇条書きにします。初発の感想(初めて教材に触れた時の感想)は教材研究や授業準備に役立ちます。
step
3曲に関する情報を集める
本やインターネット等を駆使して、曲に関する情報をできるだけたくさん集めます。引き出しは多ければ多いほどいいです。
step
4伝えたいことや、つまづきそうなことをピックアップする
自分が感じたことや気が付いたこと、集めた曲に関する情報を基に、授業で使えそうな情報をピックアップします。生徒に伝えたいことは授業の目標と、生徒がつまづきそうなことは指導の留意点と関連付けることができます。
step
5ピックアップした情報と目標を照らし合わせ、授業を組み立てる
題材の目標を改めて確認したのち、ピックアップした情報を精査し、授業の準備を行います。
音楽科における教材研究の着眼点
上記の流れに沿って私が教材研究をする際に、特に着目していた点を5つご紹介します。
1.音楽を形づくっている要素
音楽を捉える際には音楽を形づくっている要素がポイントとなりますが、それは教材研究においても同じです。
音楽の授業では、各要素の働きやそれぞれの関連性、感受したこととのつながりを生徒に考えさせるので、まずは先生自身が把握しておくことが大切です。
2.作曲者や作曲背景、作曲意図
誰がいつ、どのような意図をもって作曲したのかは曲を分析する上で欠かせません。
教材によって授業での踏み込み度は違いますが、たとえ生徒に全てを伝えなくても、曲のバックボーンを知っておくことは自身の知識量を増やすという点においても必要なことだと思います。
3.歌詞や標題など言語的な要素
例えば、ヴィヴァルディ作曲「四季」のように、言語的要素と音楽がどのように関わっているのかが授業の軸になることもあります。
ゆえに、音楽だけでなく、言語的な要素の意味を追求することも必要です。
4.演奏楽器や演奏形態
どのような楽器、形態で演奏されるかもポイントです。
楽器の仕組みや音色に着目して鑑賞する教材も多々あるので、教材研究の時点でそれらをしっかり把握しておきます。
5.表現の工夫方法
生徒に表現を工夫させると言っても、先生自身が表現方法のゴールをイメージしておかないと、指導の方向性がブレてしまいます。
そのために教材研究時からプロはどのように表現しているのかという目線で鑑賞すると、良い気付きが得られると思います。
授業づくりのポイントや授業の基本的な進め方は以下のnote(無料)にまとめているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
まとめ
さて、この記事では音楽の授業における教材研究の具体的な方法(進め方や着眼点)をご紹介しました。
少しでもお役に立てていれば幸いです。
関連記事
-
授業準備って具体的に何をするの?1時間分の授業をつくる方法【新任教員向け】
続きを見る
note「めりー先生の音楽室」へ
音楽の授業に役立ちそうなもの等を紹介しています!
↓ ↓ ↓
授業ネタ
2024/7/30
お蔵入りにした音楽授業アイディア(私が教員時代にやってみたかったこと)
元中学校音楽教員めりーです。 私には、教員時代に思い付いたものの出来なかった授業や、教員を辞めてからふと思い付いた授業アイディアがいくつかあります。 今はもう教員を辞めてしまい実践は不可能ですが、このアイディアが先生方のお役に立てるのでは?と思い、ブログに書き留めることにしました。 学習指導要領や教科書、年間指導計画などは抜きにして、単純に「こんな音楽の授業をやってみたかった!」という内容ですので、参考にされる際には自己責任でお願いします。 目次私がやってみたかった授業アイディア・絵に合う音楽を選んでディ ...
ReadMore
授業の基本
2024/7/30
音楽授業の必要性について。元教員が考える「学校で音楽を学ぶ理由」
元中学校音楽教員めりーです。 時折耳にする「音楽の授業はいらない」という意見…元音楽教員としては少し複雑な気持ちになります。 というわけで、今回は永遠のテーマとも言える「なぜ学校で音楽を学ぶのか」について私なりの思いをまとめてみます。 一個人の意見ではありますが、音楽の先生方は、生徒から「どうして音楽の授業が必要なの?」と聞かれることもあると思うので、そんなときの受け答えのヒントとしていただければ幸いです。 目次将来役に立ててほしいから音楽の授業があるわけではない私が思う「学校で音楽を学ぶ理由」①様々な音 ...
ReadMore
鑑賞授業
2024/7/24
オペレッタとは?オペラとの違いや有名な曲も合わせて解説
元中学校音楽教員めりーです。 この記事では、オペレッタとは何かについて、オペラとの違いやそれぞれの代表曲と合わせて解説します。 音楽を勉強中の方や、授業での説明にお悩みの先生方の参考になれば幸いです。 目次オペラとは?オペレッタとは?オペレッタとオペラの違いは?オペレッタの有名な曲2選①「こうもり」序曲①「天国と地獄」序曲まとめ オペレッタについて説明する前に、まずはオペラについてです。 オペラとは? オペラは歌を中心に物語が進む歌劇のことです。 演劇と同じように、華やかな衣装に身を包んだ出演者が舞台上で ...
ReadMore
自習課題
2024/7/24
noteで公開中の自習プリント(中学音楽)を紹介します!
元中学校音楽教員めりーです。 急に音楽の授業が行えなくなった場合に役立つ自習プリント。 「いざという時のために用意しておきたいけど、忙しくて作る暇がない」という先生も多いのではないでしょうか? そこで、この記事では、noteで公開中の授業資料から、すぐに使える音楽の自習プリントをご紹介します。 いずれも有料にはなりますが、一度購入していただければ長く使えるので、お役立ていただければ幸いです。 目次まずはこれ!音楽の自習プリント音楽記号・用語一覧プリント練習問題付き!楽典まとめプリントお楽しみ課題!クロスワ ...
ReadMore
歌唱授業
2024/7/24
音楽授業における歌唱指導の方法・音取りのポイント
元中学校音楽教員めりーです。 音楽の授業で必ず行う歌唱指導。 にもかかわらず、どのような流れで進めるのか、どのように音取りを行うのかといった具体的な指導法は誰も教えてくれないですよね。 そこで、この記事では私の歌唱指導の方法をご紹介します。 あくまで私の進め方であり、「これが正解!」というわけではありませんが、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。 目次歌唱指導って何するの?歌唱指導(音取り)の基本的な流れ1時間目の流れ2時間目以降の流れ歌唱指導(音取り)のコツコツ①常に全員でなくても良いコツ②表現の工夫 ...
ReadMore
授業の基本
2024/7/24
【中学音楽】年間指導計画作成のポイントと1年間の授業計画例
元中学校音楽教員めりーです。 この記事では、年間指導計画作成のポイントと、1年間の授業計画(例)をご紹介します。 あくまで私が勤務していた頃の話にはなってしまいますが、参考にしていただければ幸いです。 目次年間指導計画作成のポイント①年間の授業時数を意識する②学校行事を確認する③評価の時期から逆算する1年間の授業計画例中学1年音楽 授業計画例中学2年音楽 授業計画例中学3年音楽 授業計画例(補足1)各題材で扱う教材について(補足2)実技テストについてまとめ 年間指導計画作成のポイント まずは、私が年間指導 ...
ReadMore
授業ネタ
2024/7/24
盛り上がる!音楽授業におすすめのゲーム「歌詞ビンゴ」
元中学校音楽教員めりーです。 音楽授業に取り入れると盛り上がりそうな、簡単なゲーム活動例を思い付いたので、ご紹介します。 その名も「歌詞ビンゴ」です。 授業のスキマ時間やお楽しみ会などに取り入れられるのでは?と思うので、参考にしていただければ幸いです。 目次歌詞ビンゴとは?歌詞ビンゴの進め方①ビンゴカードの作成・配布②曲を流してビンゴ大会!まとめ 歌詞ビンゴとは? 歌詞ビンゴは、その名の通り歌の歌詞を活用したビンゴゲームです。 所要時間は10分~30分で、準備もそんなに必要ないので、「少し時間が余りそうだ ...
ReadMore
鑑賞授業
2024/7/24
歌舞伎「勧進帳」のあらすじを元中学校音楽教員がざっくり解説
元中学校音楽教員めりーです。 この記事では、歌舞伎の有名な演目「勧進帳」のあらすじを簡単にご紹介します。 音楽を勉強中の方や、授業準備中の先生方の参考になれば幸いです。 目次「勧進帳」基本情報「勧進帳」主な登場人物(相関図)「勧進帳」あらすじ解説①役者の登場②勧進帳の読み上げ③山伏問答④弁慶の驚くべき作戦⑤主従の絆の深さ⑥延年の舞⑦役者の退場(飛び六方)まとめ 「勧進帳」を主教材とした鑑賞授業の進め方やワークシートは以下のnote(有料)で紹介しています。 「勧進帳」基本情報 作詞者:三世並木五瓶 作曲者 ...
ReadMore