この記事では滝廉太郎の何がすごいのかについて簡単にご紹介します。
滝廉太郎について、顔は見たことがあるけれど、いまいち何をした人かよく分からないという方の参考になれば幸いです。
滝廉太郎作曲の「荒城の月」を主教材とした授業の進め方やワークシートは以下のnote(有料)で紹介しています。
滝廉太郎とは?
滝廉太郎は、1879年に東京都に生まれた作曲家です。
「音楽の教科書に載っている人」「丸眼鏡をかけた人」くらいの印象しかない方もいるかもしれませんが、彼は只者ではありません。
実は、日本の音楽史にとてつもない革命を起こした人なんです!
そこで、次項では滝廉太郎の何がすごいのかについて、簡単にご紹介します。
滝廉太郎のすごいところ
①史上最年少で東京音楽学校に入学
滝廉太郎は幼い頃から、父の仕事の都合で神奈川県、富山県、大分県へと転校を繰り返し、各地で音楽の素養を身に付けていきました。
そして、史上最年少の15歳で東京音楽学校(現・東京藝術大学)に入学し、ピアノ演奏でその才能を発揮しました。
②日本で初めて○○した
当時の日本では、西洋音楽を取り入れる動きがあったものの、外国のメロディに日本語の歌詞を当てはめるのが主流で、歌いにくいという声もあったそうです。
そこで、文部省は中学唱歌の作曲家を募集することにしました。
その公募課題の一つが、「荒城の月」(土井晩翠作詞)です。
滝廉太郎は、「荒城の月」を作曲する際に、日本独自のヨナ抜き音階(5音)ではなく、西洋音楽の音階(7音)でメロディを作りました。
これが、日本で初めて西洋音楽を取り入れた作曲家は滝廉太郎と言われるゆえんです。
日本の音楽が、西洋音楽に、そして今の日本の音楽に一歩近づいた瞬間だと言えます。
③数々の名曲を生み出した
東京音楽学校で優秀な成績をおさめていた滝廉太郎は、ドイツに留学するのですが、そのわずか5ヶ月後に結核を患い、日本に帰国することに…
そして、大分県で療養するも回復することなく、23歳という若さでこの世を去りました。
そんな23年という短い生涯の中でも、滝廉太郎は「荒城の月」や「花」など、今も歌い継がれる名曲をたくさん遺しています。
もっと長生きしていたら、どれだけすごい音楽を作っていたのだろうか…なんて考えてしまいます。
というわけで、最後に、滝廉太郎の代表曲をご紹介します。
滝廉太郎の代表曲
23年という短い生涯の中で、滝廉太郎が残した作品は34曲と言われています。(「メヌエット」と「憾」以外は声楽作品)
※結核は当時、不治の病と言われていて、滝廉太郎が亡くなった後、彼の楽譜等はほとんど焼却されてしまったそうです。
その中で「滝廉太郎と言えば!」という代表曲を3つピックアップしました。
「荒城の月」
日本で初めて作られた西洋音楽で、哀愁漂う旋律が、世の儚さを表す名曲です。
アカデミー賞を受賞した映画「ラ・ラ・ランド」の中でも、使用されていました。
原曲とは雰囲気がかなり異なりますね。
「花」(組歌「四季」より)
春の隅田川の情景を表した名曲。東京都の墨田区では「区民の愛唱歌」に指定されており、浅草駅の発車メロディーにもなっています。
「箱根八里」
箱根の山の険しさやと、それを越えていく人々のたくましさが描かれ、行進曲風のリズムが特徴です。
まとめ
この記事では滝廉太郎について簡単にご紹介しました。
ざっくりとした内容でしたが、少しでも皆さんのお役に立てていれば幸いです。
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