この記事では、変声期の指導のポイントをご紹介します。
あくまで「私だったらこうするよ」という内容ではありますが、参考にしていただければ幸いです。
変声期を題材とした授業の進め方やワークシートは以下のnote(有料)で紹介しています。
変声期の指導のポイント
①声変わりについて、ちゃんと説明する場を設ける
生徒たちは小学校の音楽の授業等で声変わりについて学習していますが、中学校入学後に改めて説明する機会を設けることが大切だと思います。
説明時期としておすすめなのは、中学1年生の4~5月あたり(入学して音楽の授業を3~4回受けた後くらい)です。
ガイダンスや発声指導が終わり、これから混声合唱に取り組むぞ!という時期かと思います。
私は、1年生1学期の授業を以下のような流れで進めていました。
1時間目:ガイダンス
2時間目:校歌
3時間目:「主人は冷たい土の中に」
4時間目:変声期と混声合唱(←ココ!)
5~7時間目:混声合唱
(8時間目以降は「浜辺の歌」「赤とんぼ」「魔王」など)
説明する内容は、
・発声の仕組み
・変声期とは
・声変わりの時期に起こる様々な変化
の3つです。
授業の中でしっかりと説明することで、変声期は誰にでも起こる変化だと理解し、声が裏返る生徒を笑ったり馬鹿にしたりすることがなくなるのでは?と思います。
尚、記事の冒頭でも紹介しましたが、具体的な説明例は以下の授業例(note有料記事)に載せていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
②変声期の生徒に寄り添った指導をする
変声期は、心と体に大きな変化がある時期でもあります。
声変わりが原因で歌唱授業に苦手意識をもち、音楽の授業が嫌いになるという生徒も中にはいるかもしれません。
音楽の先生は、そうした生徒がいることも頭に入れた状態で、変声期の生徒一人ひとりに寄り添った指導を行うことが大切だと思います。
参考までに、私が変声期の指導時に心がけていたことを3つご紹介します。
・無理に声を出させない
「変声期だから歌わなくていい」というわけではなく、自分の出せる音域を自分の出せる音量で歌わせるようにしていました。
・声変わりを意識させない
変声期には裏返ったりかすれたりすることがよくありますが、その時に特段声をかけるなどのアプローチはしていませんでした。
全く気に留めないであげた方が、かえって生徒は安心するかなと思って、私はあえてスルーしていたのです。
・歌唱の実技テスト時は、キーを変える
私は実技試験を1人ずつ別室で行っていたので、本人が希望すれば、その生徒に合ったキーに変えるか、アカペラ(伴奏なし)で歌うのもアリとしていました。
変声期の指導に役立つ本
前述の通り、声変わりの時期や様子は人によって様々なので、音楽の先生には、変声期の生徒一人一人に合った対応が求められます。
そのためには、まず先生ご自身が変声期についてよく理解しておかなければいけません。
ということで、変声期について勉強したいなと思っている先生方におすすめの本がこちらです。
リンク
私も教員時代にこの本を読んで、変声期の指導についてたくさん学ばせていただきました。
また、付録CDには男子生徒の小学5年生から中学3年生までの歌声と話し声が収録されていて、授業の教材にも使えて良かったです。
まとめ
さて、この記事では変声期の指導のポイントをご紹介しました。
学校や生徒の実態によって合う・合わないはあると思いますが、少しでも参考になっていれば幸いです。
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