この春から新しい学校へと異動予定の先生方、後任者への引継ぎ準備はちゃんとしていますか?
音楽教員にしか分からない情報もたくさんあるので、たとえ直接会う機会が無くても資料を残して行くなど、何らかの形での引継ぎは必要です。
というわけで、この記事では、音楽教員が異動の際の引継ぎで伝えるべきことをご紹介します。
異動される方はもちろん、「引継ぎ時に何を聞けばいいか分からない!」という方も参考にしていただければ幸いです。
引継ぎ事項①校歌の楽譜
音楽の先生が着任して最初に関わるのが、その学校の校歌です。
後任者の方が少しでも春休みのうちに校歌の練習ができるよう、引継ぎの際には楽譜(あれば音源)を渡します。
また、入学式で全校合唱をする場合は、その曲目と指揮者・伴奏者名も伝えておくと良いです。
引継ぎ事項②鍵の種類
音楽教員は、音楽室・音楽準備室・楽器保管庫など複数の部屋を管理するので、普段から鍵の束を持ち歩いている方も多いと思います。
ですが、初めてその学校に来る方は、どれがどの教室の鍵か分かりません。
私は初めて勤めた学校で、視聴機器が入っている棚の開け方が分からなくて途方に暮れたことがあります。(その時は、前任者が鍵を持っていたのですが笑)
ゆえに、こんな風にカラーラベルシールを貼って、色分けをしておくと親切です。

複数の鍵を管理している先生は「シールの付いた鍵」と「各色がどの教室かを書いた紙」をセットで置いておきましょう。
引継ぎ事項③視聴機器の使い方
音楽室には様々な視聴機器が置いてありますよね。
DVD再生機くらいなら誰でも扱えると思いますが、中には古い型のスピーカーなど使い方が分かりづらい機器もあり、後任者が困る場合もあるようです。
私は説明するのを忘れていて、後任の方から「使い方が分からない」と電話がかかってきたことがありました…
調べれば何とでもなりそうですが、新年度のバタバタしている時に焦る気持ちも分かるので、機器の使い方をまとめておいてあげると親切かなと思います。
引継ぎ事項④楽器に関すること
音楽室内にある楽器についての情報もしっかり伝えましょう。
特に、吹奏楽部のある学校だと、どこまでが部活動で使うもの、どこからが授業で使うものかが分かりにくいことがあります。
私は過去に、ギターがいっぱいあると思ったら中は全部空だった、レンタル楽器だと知らずに使っていたら突然返却の催促がきてびっくりしたという経験があります。
型番や年式など、ちゃんとリスト化してあれば問題ないですが、管理がずさんだと後任者が困ることになります…
引継ぎ事項⑤調律の時期・業者
音楽室や体育館のピアノは年に1~2回調律してもらっていると思うので、その時期や業者、依頼の仕方も伝えておきましょう。
引継ぎ事項⑥行事に関すること
合唱コンクール等の行事の運営は、学校によって全く異なります。
会場との打ち合わせはどのタイミングで行くか、審査員は誰に依頼するか等、引継ぎがなければ分からないことが多々あります。
とは言っても、全てを口頭で説明するのは不可能なので、関連資料をまとめたファイルやデータを、そっくりそのまま渡してあげると良いでしょう。
引継ぎ事項⑦部活動に関すること
音楽教員のほとんどが、合唱部や吹奏楽部に関わっていると思います。
どちらもコンクールや演奏会で外に出る機会が多く、申し込みや打ち合わせ等やるべきことがたくさんあるので、こちらもファイリングした資料やデータをそのまま渡すと良いです。
また、外部指導員を雇っている場合や地域でお世話になっている方がいる場合は、忘れずに後任者に紹介しましょう。
引継ぎ事項⑧生徒情報・成績資料
多くの学校では音楽教員は1人で全生徒を教えることになるので、少しでも生徒情報が分かっていた方が安心します。
ピアノが弾ける生徒と要注意な生徒くらいは、学年名簿に印を付けて渡すと良いです。
また、音楽のように数字で評価できない教科は、どうしても授業者によって評価の付け方に違いが出てしまいます。
「昨年は『5』だったのに、先生が変わったら『3』になった」ということもあり得ます…
前任者の評価に合わせる必要は全くないですが、参考資料として、成績に関するデータは渡しておくと良いでしょう。
学校によって成績処理ツールは異なるので、そういった面でも役立つと思います。
さて、この記事では音楽教員が異動の際の引継ぎで伝えるべきことをご紹介しました。
これらを全て3月末に用意するのは大変なので、日頃からWord等にコツコツ書き溜めるなど準備を進めておくと良いと思います。
\指導案・ワークシートのダウンロードはこちら/

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