この記事では、
・和音って何?
・和音にはどんな種類があるの?
・コードネームって何のこと?
と疑問に思っている方向けに、和音(コード)について、種類や名称をご紹介しながら解説します。
※初めての方でも分かりやすいように、音名ではなくハ長調の階名(ドレミファソラシ)を使って説明します。
和音とは?コードって何?
和音とは、高さの異なる複数の音(3つ以上)が同時に響くときの音のことです。
※本来2つの場合は音程と言いますが、元々3つだったものが1つ省かれて2つになった場合は和音と呼ぶこともあります。
そもそも、音楽は以下の12個の音で成り立っています。
和音は、この12音の中から3つ以上選んで同時に響かせたものなので、理論上は、数多くの和音を生み出すことができます。
ですが、中には心地よく感じられない響きの組み合わせもあります。
そこで、西洋音楽では、心地よく響く音の組み合わせや配置にルールを定め、各和音に名称を付けているのです。
そして、そのルールに則った和音の総称をコードと言います。
和音の種類
和音は、その組み合わせによっていくつかの種類に分けられますが、ここでは一般的な三和音、四和音をご紹介します。
三和音(五の和音)
三和音とは、基準となる音の上に3度ずつ2つの音を積み重ねた和音のことです。
一番下から一番上まで5度離れているので五の和音と呼ぶこともあります。
3度とは、音と音との距離(音程)を表す度数のひとつで、以下のようにピアノの白鍵3個分離れていることを示すものです。
詳しくはこちらの記事で解説していますが、度数には長3度、短3度などの種類があります。
それに伴い、三和音も、どの3度を積み重ねるかによって長三和音、短三和音、増三和音、減三和音の4種類に分けられます。
四和音(七の和音)
四和音とは、三和音の原型にもう一つ3度上の音を積み重ねた和音のことです。
一番下から一番上まで7度離れているので七の和音と呼ぶこともあります。
どの三和音に、どの3度を積み重ねるかで、属七の和音や減七の和音などいくつかの種類に分けられます。
主な四和音(七の和音)を例として挙げておきます。
- 属七の和音
長三和音の上に短3度の音を積み重ねた和音
- 長七の和音
長三和音の上に長3度の音を積み重ねた和音
- 短七の和音
短三和音の上に短3度の音を積み重ねた和音
- 減七の和音
減三和音の上に短3度の音を積み重ねた和音(全て短3度)
他にも、
・導七の和音(減五短七の和音):減三和音+長3度
・増七の和音:増三和音+長3度
・短三和音+長3度
があります。
ちなみに、四和音の原型にさらにもう一つ3度上の音を積み重ねた和音を五和音(九の和音)と言います。
和音の名称
各和音はローマ字を使った和音記号やコードネームで表されます。
和音記号
和音記号は、基準となる音(根音)が音階の何番目かという見方で表されます。
例えば、ハ長調の三和音は以下の通りです。
Ⅰは1度の和音、Ⅱは2度の和音…と呼びます。
主要三和音とは、その調において特に重要な働きを持つ三和音のことです。
また、ハ長調の四和音は以下の通りです。
1度の7の和音、2度の7の和音…と呼びます。
コードネーム
コードネームとは、和音の基準となる音の英語音名と数字などで表す呼び方のことです。
長三和音はメジャーコード、短三和音はマイナーコード、四和音(七の和音)はセブンスコードと呼びます。
コードネームについては以下の記事で解説しています。
-
コードネームとは?仕組みをざっくり解説
続きを見る
和音の転回
実際の音楽において、和音は必ずしも順番通りに並んでいるわけではありません。
ハ長調のⅠの和音(ドミソ)を例に挙げると、以下のように形を変えて登場する場合があります。
根音から順に積み重なった和音を基本形、一番下が第3音の和音を第1転回形、一番下が第5音のものを第2転回形と言います。
また、和音の形が変わっても、構成音の名称は変わりません。(「ド ミ ソ」の場合、根音は「ド」で固定)
まとめ
さて、この記事では和音の種類や名称について解説しました。
かなりざっくりとした内容ではありましたが、お役に立てていれば幸いです。
関連記事
-
音程とは?意味や度数の数え方をざっくり解説
続きを見る
note「めりー先生の音楽室」へ
音楽の勉強に役立ちそうなもの等を紹介しています!
↓ ↓ ↓
楽典・音楽用語
2024/11/20
アーティキュレーションとは?よく使われる記号や用語をざっくり解説
元中学校音楽教員めりーです。 音楽を勉強している方は「アーティキュレーション」という言葉を聞いたことがあるかと思います。 ですが、アーティキュレーションが何なのかよく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか? そこで、この記事ではアーティキュレーションについての簡単な解説と、よく使われる記号・用語をご紹介します。 目次アーティキュレーションとは?よく使われる記号・用語まとめ アーティキュレーションとは? アーティキュレーションは、音と音のつなげ方や区切り方で、旋律に表情を付ける演奏技法のことで ...
ReadMore
楽典・音楽用語
2024/11/13
譜読みの最初に要確認!速度記号・用語一覧(読み方と意味まとめ)
元中学校音楽教員めりーです。 今回は、速度に関する記号や用語をご紹介します。 楽譜上でよく見かける記号・用語のみをピックアップしているので、ざっくりとした説明にはなりますが、音楽を勉強中の方の参考になれば幸いです。 目次そもそも音楽における「速度」とは?速度記号・用語は楽譜のどこに書いてある?速度を表す記号・用語①数字で表す②ことばで表す速度の変化を指示する用語速さを次第に変化させるこれまでの速さと比較して指示する強弱の変化も同時に指示する変更した速度を戻す意味を補足する付加語・接尾語付加語接尾語速度に関 ...
ReadMore
楽典・音楽用語
2024/11/13
fffとは?音楽に欠かせない強弱記号・用語一覧(読み方と意味まとめ)
元中学校音楽教員めりーです。 突然ですが、こちらの音楽記号は何と読むでしょうか? 「エフエフエフ?」…残念ながら違います。 答えは「フォルティッシッシモ(フォルテフォルティッシモ)」です。 この記号は、強弱記号のひとつなのですが、その意味や他の強弱記号との関係がよく分からないという方も多いのではないでしょうか? というわけで、今回は、強弱に関する記号・用語の読み方と意味をまとめてみました。 楽譜上でよく見かける記号・用語のみをピックアップして紹介するので、ざっくりとした説明にはなりますが、音楽を勉強中の方 ...
ReadMore
楽典・音楽用語
2024/7/24
音名と階名の違いは?意味や役割をざっくり解説
元中学校音楽教員めりーです。 突然ですが、この音は何の音でしょう? ※ト長調とします これを「ソ」と呼ぶ方もいれば、「ド」と呼ぶ方もいると思いますが、どちらも正解です。 というのも、音には音名と階名という2つの呼び方があり、この音の場合、音名は「ソ」ですが、階名だと「ド」なのです。 …何を言っているのか、わけわからん! という方のために、この記事では音名と階名の違いを解説します。 目次音名とは?階名とは?まとめ 音名とは? 音名は、その名の通り音の名前です。 音楽を演奏したり、作ったり、教えたりする際に使 ...
ReadMore
楽典・音楽用語
2024/7/24
コードネームとは?仕組みをざっくり解説
元中学校音楽教員めりーです。 この記事では、楽器を演奏する際に使うコードネームについて解説します。 楽器を始めたばかりの方やテスト勉強中の学生さん、授業での説明にお困りの先生方のお役に立てれば幸いです。 ※初めての方でも分かりやすいように、音名ではなくハ長調の階名(ドレミファソラシ)を使って説明します。 目次コードネームとは?コードネームの仕組み①音名②三和音の種類③付け足す音④その他の特記事項まとめ コードネームとは? コードは「和音」、ネームは「名前」のことなので、コードネームとは、和音の名前(呼び方 ...
ReadMore
音楽史
2024/7/24
ヴィヴァルディってどんな人?あだ名やエピソード、代表曲
元中学校音楽教員めりーです。 「四季」の作曲者として知られるヴィヴァルディですが、曲は聴いたことがあっても、作曲者のことまでは詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか? そこで、この記事では、ヴィヴァルディに関することや代表曲をまとめてみました。 少しでも参考になれば幸いです。 目次ヴィヴァルディとは?ヴィヴァルディにまつわるエピソード3つ赤毛の司祭と呼ばれていた様々な仕事をしていたなぜ「協奏曲の父」なのかヴィヴァルディの代表曲3つヴァイオリン協奏曲「四季」フルート協奏曲「ごしきひわ」「グローリア ...
ReadMore
音楽の基礎知識
2024/7/24
吹奏楽でよく使われる管楽器の種類と調性一覧
元中学校音楽教員めりーです。(吹奏楽部顧問もしたことがあります) 吹奏楽は、管楽器を中心とした様々な種類・調性の楽器で構成されています。 ゆえに、吹奏楽部に入部する、あるいは吹奏楽部の顧問になる場合は各楽器の特徴をしっかり理解しておく必要があります。 とは言え、「B♭管」「F管」など楽器によって基準の音階が異なったり、出せる音域が違ったりするので、覚えるのが大変なんですよね。 そこで、この記事では吹奏楽でよく使用される管楽器の種類と調性を一覧にまとめました。 「吹奏楽部に初めて関わる」という方の参考になれ ...
ReadMore
音楽史
2024/7/24
滝廉太郎だけじゃない!日本の音楽史に欠かせない重要人物10名
元中学校音楽教員めりーです。 皆さんは日本の音楽史と聞いて、真っ先に誰の顔を思い浮かべますか? 恐らくほとんどの方が、眼鏡をかけた肖像画でお馴染みの、滝廉太郎を思い浮かべるのではないでしょうか。 ですが、日本の音楽史には、他にも活躍した人物がたくさんいます。 そこで、この記事では、誠に勝手ながら日本の音楽史に欠かせない重要人物を10名ピックアップしてご紹介します。 あくまで私が個人的に選んだだけではありますが、学校の音楽授業でよく取り上げられる方々ばかりなので、参考にしていただければ幸いです。 目次①八橋 ...
ReadMore