この記事では、私が鑑賞授業を行う際に、特に意識していたことをご紹介します。
あくまで私の経験に基づく内容にはなりますが、授業の進め方にお悩みの先生方の参考になれば幸いです。
※鑑賞授業に限らず、音楽授業全般に関することはこちらの記事にまとめているので、ご興味のある方は、合わせてご覧ください。
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楽しい音楽授業を実現するためのポイント(私が意識していたこと)
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鑑賞授業の7つのコツ
①教材ありきの授業にしない
鑑賞授業を行う際に、教材を決めてから目標を考えるというような、教材ありきの授業になってしまっていませんか?
ですが、大事なのは題材目標を達成できるかどうかであり、使用する教材は本来は何でも良いはずなのです。
「教科書に載っているから」という理由で教材研究をするのではなく、まずは一度なぜこの教材を扱うのかということについて考えてみると良いと思います。
②音楽との出会いを演出する
初対面の人とどのように出会ったかで、その人の印象が決まるように、音楽との出会い方によって、その音楽に対する印象や興味、関心が変わる気がします。
ゆえに、授業で新しい音楽を扱う際には、その出会い方を工夫する必要があると私は考えます。
授業の始めに「今日の授業で勉強する曲はこれです!」と言って音楽を流すのではなく、例えば、
・先生がいきなり演奏し始める
・授業前(生徒が入室してきたとき)から流しておく
・音楽を聴いてみたくなるような話をする
など工夫して、生徒と音楽との出会いを演出してあげると良いと思います。
私は「展覧会の絵」を扱う際には、音楽室の壁に絵を貼り、美術館に来たかのような空間を演出していました。
「展覧会の絵」を主教材とした授業の進め方やワークシートは以下のnote(有料)で紹介しています。
③「知覚」と「感受」を結び付けさせる
鑑賞して感想を書いて終わり!という授業は、正直あまり意味がないと私は思っています。
そう感じた理由は何なのか、音楽の諸要素がどう作用しているのかを考えさせることが、「知覚」「感受」両方の側面から音楽を理解するために必要です。
そのようなことを意識した活動を取り入れるのはもちろんのこと、ワークシートを作る際にも「聴き取ったこと」と「感じ取ったこと」を結び付けられるような欄を設けると良いと思います。
ワークシートの作り方は以下の記事で紹介していますので、よければ合わせてご覧ください。
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音楽の授業におけるワークシートの作り方とポイント
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④音楽を言語化するためのヒントを提供する
前述の通り、「知覚したこと」と「感受したこと」とのつながりを考えさせることは、音楽授業の基本です。
ですが、その曲にどのような要素があって、それによってどのような感じを受けるのかということを言葉で表現するのが苦手な生徒はいます。
そうした生徒を置き去りにするわけにはいかないので、「音楽を表す言葉」を一覧プリントにして配布するなど、音楽を言語化するためのヒントを事前に提示すると良いと思います。
また、音楽に対する考え方をしっかりと言葉で表現するには、ある程度トレーニングが必要です。
教科書掲載曲とは別に、毎時間3~5分程度の音楽を聴かせて、ひとこと感想を書かせるなど、言語化する活動を積極的に取り入れるのがおすすめです。
詳しくは以下の記事で紹介していますので、よければ合わせてご覧ください。
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毎回の授業が楽しみになる「5分間ミュージック」(音楽授業ネタ)
続きを見る
⑤アクティブな動きを取り入れる
正直なところ、静かに音楽を鑑賞させて感想を書かせるだけの授業は面白いものではありません。
例えば、
・音楽から得たイメージを絵で表す
・音楽に合わせて体を動かす
・音が聴こえなくなったら手を下げる
など、鑑賞授業にも活動的な動きを取り入れた方が、生徒たちは「授業が楽しい」と感じるはずです。
一見音楽とは関係のなさそうな活動でも役に立つ場合があるので、日頃から授業のネタ集めは欠かせないなと思います。
⑥生徒の意見は否定も肯定もしない
鑑賞後に「感じ取ったこと」を生徒に発表してもらう場面があると思いますが、先生は否定も肯定もしないのがマストだと私は思っています。
というのも、音楽の感じ方は人それぞれで、「感じ取ったこと」に正解はないからです。
先生が「それは違うかな?」「その通り!」などと意見を否定・肯定すれば、生徒は音楽の授業での正解を探すようになってしまいます。
それでは、学校で音楽を学ぶ意味がなくなるので、生徒の意見を全て受け入れるつもりで、授業を進めるのが良いと思います。
また、言葉で返さずとも、生徒の意見を聞いて笑ったり、怪訝そうな顔をしたりすれば、生徒はすぐに気が付くので、ちょっとした表情も意識して授業するよう、私は心がけていました。
⑦自分の価値観を押し付けない
前述の通り、音楽の感じ方は人によって違うので、曲を聴かせた後に「この曲はこんなイメージだよね」などと自分の考えを伝えるのはNGです。
鑑賞授業の目標は「曲が作られた背景を理解して鑑賞しよう」など抽象的なものが多く、決して「曲が悲しい気持ちを表現していることに気が付こう」のように具体的かつ断定的なものではありません。
一見分かりづらいですが、それが音楽授業の面白いところです。
同じ音楽を、同じ時間、場所で聴いたとしても感じ方は異なるので、その意見の相違を楽しむことこそ、学校で音楽を学ぶ醍醐味なのではないでしょうか。
ゆえに、ゴールは見据えつつも、決して個人の価値観に偏らない授業を行うよう心がけることが大切だと思います。
まとめ
さて、この記事では私が鑑賞授業を行う際に意識していたことをご紹介しました。
少しでもお役に立てていれば幸いです。
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