ロマン派時代に活躍し、「ピアノの詩人」と称されたショパン。
「弾いてみたいけれど、ショパンの作品はなんだか難しそう」と躊躇してしまう方も多いのでは?
そこで、この記事ではショパンが作曲した数々の名曲の中で、わりと譜読みが簡単で演奏しやすい曲を10曲ご紹介します。
※いずれも「片手だけで弾ける!」とか「ドレミが読めなくても大丈夫!」というレベルではなく、簡単とは言ってもそれなりの技術は必要ですので悪しからず。
簡単なショパンの名曲:ワルツ
ショパンのワルツと言えば、「Op.18(華麗なる大円舞曲)」など華やかな曲が有名なので、難しそうだなと感じる方も多いかと思います。
しかし、これからご紹介する3曲は、ゆったりとした速度で、左手が常に3拍子のリズムを刻んでいるため、演奏しやすいです。
①ワルツ Op.34-2 イ短調(「華麗なるワルツ」)
哀愁漂う旋律がなんとも美しい曲です。
②ワルツ Op.69-2 ロ短調(遺作)
右手の美しいメロディを大切に、左手がうるさくなりすぎないよう気を付けて演奏するのがポイントです。
③ワルツ KK.IVb-11 イ短調(遺作)
短い曲で、同じようなリズムの繰り返しなので、譜読みは簡単です。
トリルが入ることによってテンポが崩れやすくなるので、初めはトリルなしで譜読みをし、慣れてきたらトリルを入れるのがおすすめです。
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簡単なショパンの名曲:マズルカ
マズルカも短い曲が多く、譜読みはしやすいですが、マズルカ独特のリズムを少し難しく感じる方もいるかもしれません。
全部で50曲以上もあるマズルカの中で、特におすすめなのは以下の2曲です。
④マズルカ Op.7-1 変ロ長調
跳ねるようなリズムが特徴的で、かわいらしい曲です。曲自体が短く繰り返しが多いので、譜読みはしやすいです。
⑤マズルカ Op.68-3 ヘ長調
農民たちが踊っているような様子をイメージするのと、強弱の違いを明確に表現するのがポイントかなと思います。
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簡単なショパンの名曲:ノクターン
ノクターンのうち、今回ご紹介する2曲は、発表会や演奏会はもちろん、TV番組やCMでも頻繁に使われており、知らない人はいないと言っても過言ではありません。
どちらも譜読みは簡単ですが、表現力が求められ、夜の美しさや儚さをイメージしながら演奏するのがポイントです。
⑥ノクターン Op.9-2 ホ長調
ショパンと言えばこの曲!というくらいの名曲ですが、譜読みは意外と簡単です。
ですが、あまりにも有名すぎて逆に人前で演奏するのは難しい(間違えたらすぐにバレそう)かもしれません。
⑦ノクターン Op.32-1 ロ長調
前述のノクターンに比べれば、少し地味ですが、美しい一曲です。
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簡単なショパンの名曲:プレリュード
ショパンは全部で26曲のプレリュードを作っていますが、特に有名な2曲をご紹介します。
どちらもゆったりで落ち着いた雰囲気があるので、演奏はしやすいです。
⑧プレリュード Op.28-7 イ長調
この曲は16小節しかないので、あっという間に譜読みができ、速度もゆったりなので弾きやすいです。
⑨プレリュード Op.28-15(「雨だれ前奏曲」)
こちらは、途中、曲のイメージががらりと変わったり、複雑な動きがあったりするので、今回ご紹介した曲の中では一番難易度が高いと言えます。
ただ、有名な割には譜読みがしやすく、発表会などにも使える曲なので、挑戦してみるのも良いかもしれません。
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簡単なショパンの名曲:子守歌
ショパン作曲の子守歌は、短いので譜読みも簡単で、ゆったりとした速度なので演奏しやすいです。
⑩子守歌 Op.57 変ニ長調
手が大きくないと届かない箇所があるのと、たまに出てくる長いトリルが少し難点かもしれませんが、とても美しい曲なので、おすすめです。
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以上、ショパンの作品の中で比較的簡単な曲を10曲ピックアップしてみました。
あくまで私の経験を基に選んだ曲なので、全ての方に当てはまるとは限りませんが、少しでも皆さんのお役に立てていれば幸いです。
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