音楽教員の仕事

教採合格者に伝えたい、私が中学校音楽教員になって苦労したこと

元音楽教師めりーです。

この記事では、私が中学校の音楽教員になって特に苦労したことをご紹介します。

生徒や保護者との関わり方など苦労したことはたくさんあるのですが、今回は特に音楽に関連することだけを取り上げます。

春から教員になるのが不安…」「今のうちに準備しておいた方が良いことはあるかな?」とお悩み中の方の参考になれば幸いです。

ちなみに教員になった当時の私のスペックはこんな感じ。

  • ピアノ歴20年
  • 箏は「六段の調」、チェロ・篠笛は音階なら演奏できるレベル
  • 小学校では合唱部に所属(中高は伴奏者としてコンクール出場)
  • サックスが木管か金管か分からないくらい、楽器の知識なし

大学で幅広く音楽について勉強はしたものの、専門のピアノ以外のことはあまりよく分からないまま、教員になってしまいました…

というわけで、ここから私が特に苦労したことをお話しします。

中学校音楽教員になって苦労したこと

①移動ド唱法

長年ピアノを続けていた私にとって、「ド」は「ド」なんです。

ソルフェージュで移動ド唱法を勉強していたものの、どうしても他の音を「ド」と呼ぶことに抵抗があり、なかなか慣れませんでした。

特に苦労した場面は吹奏楽部の指導

例えば、F管のホルンは「ファ」を「ド」と呼びますが、指導の際に「ソの音を~、あっ違う、レの音!」と混乱しまくりでした。

固定ド唱法が染みついている方にとって、移動ド唱法はかなり厄介なので、苦手な方は早い段階で慣れておくことをおすすめします。

初任校で吹奏楽部顧問にならなくても、異動先でなる可能性もあるので油断大敵です!
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②移調奏

普段の授業では移動ド唱法ができなくてもさほど問題はなかったのですが、「パッと転調できる人になりたい」と思う場面はありました。

それが、歌唱の実技テストです。

私は伴奏しながら採点を行っていたのですが、変声期の影響から音が取りずらい生徒もいるので、その場合は転調をしてあげる必要がありました。

なので、実技テストの前には±5度くらいの調で伴奏が弾けるように練習をしていました。

この練習が意外と時間がかかったので、大学在学中にもっと移調奏の練習をしておけばよかったと後悔しました。

また、授業で調について説明する際に、既習曲を様々な調で聴かせることで「調によって曲の雰囲気が変わる」ことを体感させられるので、移調奏は練習しておくに越したことはないと思います。

③他楽器の奏法

器楽の授業と言えばリコーダーというイメージがありますが、全ての学校でそうとは限りません。

現に、保護者の意向やコロナ感染リスク、和楽器の指導充実などの理由から、リコーダーを購入させない学校も多いです。

そうなると備品やレンタル楽器を使用するわけですが、その楽器は三味線ギター太鼓など、学校によって異なります。

ゆえに、器楽の教科書に載っている楽器はどれも授業で取り扱う可能性があると思っていた方が安心です。

教員になってから楽器の練習をするのは結構大変なので、可能な限りいろいろな楽器に触れてみておくことをおすすめします。

特に箏やギターは定番なので、余力がある方は今のうちから練習しておいてはいかがでしょうか?

④指揮法

多くの中学校では、年に1度合唱コンクールが開催され、生徒が合唱の指揮を行います。

そんな指揮者の指導も、音楽教員の仕事の一つ。

大学時代に指揮法の授業は受けていたものの、自分自身がオーケストラや合唱の指揮をした経験はなかったので、教えるのに苦労しました。

最初のうちは教科書に載っている基本的な振り方を教える程度で、ロクなアドバイスもできず、今でも申し訳なく思っています。

合唱部や吹奏楽部のコンクールで教員が指揮をすることもあるので、不安な方は練習しておくと良いでしょう。

⑤BGMが思い付かない

音楽教員は、学校の中で一番音楽に詳しい人間(だと思われている)ので、行事や式典の際のBGM選定を丸投げされることがあります。

普段からJ-POPやクラシックなど幅広く音楽を聴く方は困らないと思いますが、私は結構苦手でした。

曲の雰囲気や歌詞がTPOにあっているか、万人受けするかなど考えだしたら決まらないし、なんだかセンスを問われているみたいで嫌だったのです。

どうしても、教員や生徒から「音楽に詳しい人」認定されてしまうので、「そんなに詳しくないよ」という方は私と同じように苦労するかもしれません…

⑥何が分からないのか分からない

生徒のつまずくポイントが分からない」というのは、音楽に限らずどの教科の先生もぶち当たる壁だと思います。

中学校には「楽譜や音符が書けない」「四分音符と八分音符の違いが分からない」など様々な生徒がいます。

音楽をずっと勉強してきた私たちが当たり前に知っていることを、生徒の多くは知らないのです。

私は初任校で「ピアノの上に座ってはダメ」という当たり前のことから教えました笑

おすすめの対処法は、生徒向けの参考書を読むこと。

生徒がつまずきそうなポイントが書かれているので、どの部分を重点的に説明すれば良いのかが分かります。

あとは、「経験がものを言う」ので、教員生活を続けていけば次第に、生徒のつまづきポイントと、それに合った説明の仕方が分かるようになると思います。

まとめ

さて、この記事では、私が中学校の音楽教員になって特に苦労したことをご紹介しました。

「ピアノ伴奏ができない」「発声指導ができない」など、人によって不得意なことは様々あると思います。

ですが、音楽教員になればそんなこと関係なく「音楽のプロ」として生徒と接しなければいけません。

音楽を教える立場になる前に、自分自身が苦手なことや不安に思っていることを解消して、春からいいスタートを切ってくださいね。

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