この記事では、
「ピアノを始めたばかりで、譜読みのやり方が分からない」
「譜読みって具体的に何をすればいいの?」
と思っている方向けに、「私だったらこうするよ!」という譜読みのやり方をご紹介します。
あくまで私の経験に基づく内容にはなりますが、練習時の参考になれば幸いです。
目次
そもそも「譜読み」とは?
「譜読み」の解釈は人によって異なると思いますが、私は楽譜に書かれていることを忠実に再現することだと考えています。
楽譜に書かれていることとは、
・旋律
・リズム
・拍子
・調
・速度
・強弱
・奏法(アーティキュレーション等)
・構成や形式
・主旋律とハーモニー
・音楽の背景
などです。
楽譜に書かれている音楽を表現するには、音の高さや長さだけでなく、上記の要素についても理解し、それを再現するための技能を備えておく必要があります。
譜読みのやり方(私の場合)
さて、ここからは、私が譜読みをする時に、どのような手順で行っているかをご紹介します。
曲の難易度や目標によって異なる点もありますが、基本的には以下のような流れで進めているので、参考にしていただけたら幸いです。
①参考音源を聴く
まずは楽譜を見ながら、曲をじっくり聴き、音楽の流れをつかみます。
演奏者によって演奏の仕方や雰囲気は異なるので、なるべく複数人の演奏を聴いてから、自分がお手本としたい演奏を決めるようにしています。
②楽譜から情報を読み取る
曲名や作曲者、調や拍子、演奏に関する指示など、楽譜に書かれている情報すべてに一度目を通します。
分からない単語などがあれば調べ、意味を楽譜に書き込んでおきます。
楽譜に書かれている指示は見慣れたイタリア語が多いですが、フランス語やドイツ語などの場合もあり、分からないこともしばしばあります…
そして、曲が作られた背景なども可能な限り調べておきます。
例えば、ベートーヴェンの曲を演奏する時には、以下のような作者に関する本を読むこともあります。
③曲を区分けする
長い曲や難易度の高い曲の場合は、最初から最後まで一気に譜読みするのが難しいので、キリの良さそうなところで区分けし、ざっくり練習予定を決めます。
(今日は最初から○小節目まで、明日は○小節目から○小節目まで…のように)
私は譜読みの分量が多いと集中力が切れてしまうので、だいたい見開き1ページ~1ページ半くらいずつ譜読みをするようにしています。
本当は早く最初から最後まで譜読みをしたいのですが、焦りは禁物です…
④両手で弾いてみる
まずは、練習箇所の最初から最後まで両手でゆっくり弾いてみます。
両手で弾くことで、各部分における右手と左手の位置関係や身体の動かし方など、その曲を演奏する時の感覚がつかめる気がします。
ちなみに、この時の速度は、止まらずに弾けるくらいの、非常にゆっくりな速度です。
一度弾き終わったら、もう一度最初に戻って、同じ箇所を同じスピードで、2~3回演奏します。
曲の難易度によっては、ただ音を追うだけで精一杯の場合もありますが、余裕がある時は、以下のことを初めて弾く段階から意識するようにしています。
・声部の役割(主旋律のパートを頭の中で歌う)
・形式や構成(繰り返しなど)
慣れてくると、簡単な部分だけ速く弾きたくなってしまうので、曲全体を一定の速さで弾けるように、メトロノームを活用しています。
⑤部分的に練習をする
両手で何度か弾いているうちに、毎回つっかえてしまう部分や間違えてしまう部分が浮き彫りになるはずなので、その部分だけを取り出して、できるようになるまで練習します。
ある程度弾けるようになったら、その部分の1小節前から弾く→3小節前から弾く→…というように少しずつ遡っていき、最終的には最初から最後まで止まらずに演奏できるまで仕上げていきます。
尚、この時点では、まだ速度はゆっくりです。
「早く実際のテンポで弾きたい!」という気持ちにもなりますが、ここで間違えて覚えてしまうと、後々修正するのが大変なので、ぐっと堪えて、ゆっくり丁寧に練習します。
⑥片手ずつゆっくり練習する
ここまで練習すると、速度こそゆっくりですが、ある程度弾けたような感覚になります。
ですが、意外なことに、両手で演奏はできても、片手だけになると弾けなくなることがあります。(私の場合は左手だけで演奏すると結構ボロボロです)
これはおそらく、右手と左手がお互いに(もしくは一方的に)依存していて、旋律のつながりが把握できていないからです。
それでは音楽として成り立たないので、ここで一度、片手ずつゆっくり練習します。
両手で弾く時と同様、アーティキュレーションや強弱などもより意識しながら、ゆっくりの速度で通したり、部分的に練習したりしながら、片手だけで止まらずに演奏できるまで練習します。
曲を区分けしている場合は④~⑥までをそれぞれ行い、曲の最初から最後までゆっくりの速度で弾けるようになったら、次の段階に進みます。
⑦徐々に速さを上げていく
両手でも片手でも、最初から最後までゆっくりの速度で完璧に弾けるようになったら、♩=50→♩=55→♩=60というように、徐々に速度を上げていきます。
もし♩=60の速さで間違えたりつっかえたりしたら、♩=55に戻って何度か練習し、再び♩=60にチャレンジといった具合です。
この時に無理に速度を上げると、今まで丁寧に練習してきたことが無駄になってしまうので、確実に、少しずつ、実際のテンポに近づけていくようにします。
⑧改めて参考音源を聴く
実際のテンポでも弾けるようになったら、改めて模範演奏を聴いて、自分の演奏に足りない部分を把握します。
演奏を聴きながら、楽譜に気が付いたこと等をメモしておくと、後々の練習に役立つのでおすすめです。
⑨楽譜に忠実に練習する
模範演奏を参考にしながら、楽譜に書かれていることを忠実に再現できるようになるまで練習します。
私はよく自分の演奏を録音(or録画)してみて、改善すべき点などを把握するようにしています。
ちなみに私は、特別な撮影機材を持っていないので、このSnake holderをピアノ近くの椅子に置いて録画しています。(角度や高さが変えられるので私は重宝しています)
⑩譜読み終了!
楽譜通りに演奏できるようになったら、ようやく譜読みが終了です。
レッスンを受けている方は、ここから先生の指導を受けて、さらに高みを目指して練習に励んでいくことと思います。
私は今はピアノのレッスンを受けていないので、自分なりの「もっとこうしたい!」という思いを表現したり、暗譜したり…納得のいくまで練習を続けていきます。
まとめ
というわけで、この記事では、私なりの譜読みのやり方をご紹介しました。
改めてまとめると、
- 参考音源を聴く
- 楽譜から情報を読み取る
- 曲を区分けする
- 両手で弾いてみる
- 部分的に練習をする
- 片手ずつゆっくり練習する
- 徐々に速さを上げていく
- 改めて参考音源を聴く
- 楽譜に忠実に練習する
- 譜読み終了!
という手順で譜読みをしています。
上記の方法が合う方も合わない方もいらっしゃるとは思いますが、少しでも皆さんの参考になっていれば幸いです。
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