元中学校音楽教師のめりーです。今回は音楽の授業ルールをご紹介します。
音楽の授業にルールは必要?
→答えはYESです。
ルールなんかなくても良い授業ができる方はたくさんいらっしゃると思いますが、私の経験上、音楽の授業はルールがあった方がうまくいきます。
それはいったい何故でしょうか?
というわけで、この記事では、音楽の授業にルールが必要な理由と、私が定めていた2つのルールをご紹介します。
ルールは新年度最初の授業で生徒に伝えることになるので、それまでにご自身の授業ではどうするのかをお考え下さい。
新年度最初の授業に関しては、こちらの記事をご覧ください。
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学校が荒れるのは音楽の授業から
これはどこの中学校でもよく聞く話です。
音楽の授業にしっかり取り組めない集団はだんだん崩れていきます。
というか、崩壊する集団が最初にボロを出すのが音楽の授業と言った方がいいのでしょうか。
入学したての生徒が、いかに自分が今まで音楽の授業をサボっていたことを自慢してくることもありました。
音楽の授業は難しい。だからルールが必要。
座学の授業なら、50分間静かに話を聞かせるだけで授業は進んでいきますよね。(他教科の先生ごめんなさい。)
でも、音楽の授業は静かにさせすぎちゃいけないんです。
無理に押さえつけたら豊かな表現はできません。
音楽の教師に求められていることは、授業規律を保ちつつ、自由に表現させること。
だから「ここまではいいけど、この先はダメ」という線引きが必要なんだと思います。
授業は教師と生徒との信頼関係で成り立っているので、楽しく授業をするためにルールは守りましょう。ということです。
では、具体的にどのようなルールがよいのでしょうか。
残念ながら正解はありません。
なぜなら、授業の型(進め方)は人によって全く違うから。
授業を進めていく中で、これは良い、これはダメとご自身で判断していくのが一番良いです。
したがって、これから私が最初の授業で提示していた2つのルールをご紹介しますが、すべての先生方に当てはまる内容ではないということはご承知おきください。
最初の授業で約束させる2つのルール
私は4月の1番最初の授業(授業開き)で、2つのルールを生徒に提示していました。
この2つのルールを守ってくれれば、あとは楽しんでくれてOK!でも守れなかったら本気で怒るよ。と伝えます。
①ヒト・モノを傷つけない
誰一人として嫌な気持ちになってほしくないので、友達や楽器、音楽室は絶対に傷つけないでほしいということを伝えます。
相手が嫌がることをしたり言ったりすることは絶対に許さないとも。
音楽の授業以前に人として当然のことなので、わざわざ言わなくてもいいと思いがちですが、中学生はまだまだ子ども。
「言わなくても分かるだろう」は全員には通じません。
当たり前のことだけれど、あえてしっかりと言っておく必要があります。
②手を抜かない
例えば、忘れ物をする、授業に遅刻する、成績に関係のないプリントは提出しない、適当に歌って人任せにするなど。
中学校生活に慣れてくると、当然手を抜く生徒が出てきますが、「出来ない」と「しない」は全く違いますし、「しない」ことを覚えたら、出来るはずのこともだんだん出来なくなってしまいます。
だから授業では手は抜かせません。
ルールの伝え方
上記2つのルールを最初の授業で宣言し、守れない生徒がいた場合には徹底的に指導します。
ですが、口頭で説明するだけでは伝わりません。
音楽室や廊下に掲示したり、ルールを記載したプリントを配布したり、合言葉を決めたり等ルールの伝え方にも工夫が必要です。
音楽の授業を実りあるものに!
さて、この記事では音楽の授業にルールが必要な理由と、私が最初の授業で約束させていた2つのルールをご紹介しました。
「ルールを守り、楽しむときは楽しむ」ということを大切に、数少ない授業の時間を実りあるものにしてあげたいですね。
というわけで、今回の記事は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
音楽の授業実践例(指導略案・ワークシート)は
こちら
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