
コロナ過で授業内容が制限される中、「ICTを活用した授業を!」ということでChrome Music Labを取り入れる方も多いと思います。
ですが、中には「ツールが多すぎて何をどう使えば良いか分からない」とお悩みの方もいるのでは?
そこで、この記事ではChrome Music Lab内の各ツールの使い方や音楽授業での活用アイディアをご紹介します。
目次
Chrome Music Labとは?
クローム音楽実験ラボ(Chrome Music Lab)とは、Googleが提供する音楽Webアプリのこと。
インターネット上で、「Chrome Music Lab」と検索すれば上記の画面にたどり着くので、そこから好きなツールを選択します。
※ブラウザはGoogle Chromeを使用。(インターネットエクスプローラーでは使えません。)
Chrome Music Lab内には、以下の14ツールがあります。
いずれも無料で、アプリのダウンロードも不要(全てブラウザ上で完結)なので、まずは先生ご自身が遊んでみるのがおすすめ!
きっと素敵な授業アイディアが浮かんでくると思います。

各ツールの使い方と授業での活用アイディア
①SHEARED PIANO(共有ピアノ)
オンライン上で同時演奏が楽しめるツールです。
↑実際の操作画面
最大10人まで同時に(違う端末で)演奏できるので、遠隔地でもセッションが可能。
伴奏を保存して生徒に共有すれば、それに合わせてメロディを練習させたり創作させたりすることもできます。
授業でのグループワークやオンライン学習など、様々な場面で大活躍間違いなしです。
②SONG MAKER(ソングメーカー)
ポチポチと入力するだけで簡単に音楽づくりが楽しめるツール。
↑実際の操作画面
音を重ねたり、ドラムパートを付けたり、楽器や速度を変えたりと、他のツールに比べてできることは多いので、普通に音楽創作の授業に活用できます。
ただ、唯一の難点は音を伸ばせないこと。
なので、長い音を使用しなくても大丈夫そうなテーマで音楽づくりをさせるのが良いと思います。

③RHYTHM(リズム)
ポチポチ入力すると、リズムを繰り返し演奏してくれるツール。
↑実際の操作画面
3~6拍子まで設定することができます。(演奏するキャラクター、楽器の音色が違います)
本格的なリズム創作とまではいかないですが、1分もあればリズムパターンを作ることができるので、授業の導入で遊ばせるにはちょうど良さそうです。
例えば、作ったリズムを手拍子で真似っこさせたり、何拍子か当てさせたり、楽譜に起こさせたりと、ゲーム感覚でリズム学習ができます。
④SPECTROGRAM(スペクトログラム)
スペクトログラムとは、音の周波数をグラフで表したもののこと。
↑実際の操作画面
自分の声を視覚的に捉えることができますし、手でなぞってスペクトログラムを作成することもできます。
それ以外に、
・ハープ
・口笛
・トロンボーン
・ドラムマシン
・鳥の鳴き声
・モデム(送受信装置)
・ワイングラス
の音が用意されているので、普通に眺めるだけでも楽しいです。
音の振動によって波の形、強さによって色が変わるので、自分が聴き取った音と視覚的情報との関わりを考えさせると面白そう。
⑤SOUND WAVES(音波)
水の中の波のように、音が空気中を伝わっている様子を理解するのに役立つツールです。
↑実際の操作画面
ドットが震える様子を見るだけでも良いのですが、虫眼鏡タップでズームインして波の形を見る方が分かりやすいかと思います。
低い音と高い音では波の形が全然違いますよね。
これは音が伝わる速度に関係しそう…
理科の授業とタイアップすれば、音とは何か、音はどのようにして伝わるのかについての学習につなげられそうですね。
⑥ARPEGGIOS(アルペジオ)
メジャーコードとマイナーコードそれぞれのアルペジオを確認できるツールです。
こちらの動画のように、音楽停止中に各コードをクリックすると和音が確認でき、再生ボタンを押すとアルペジオが流れる仕組みとなっています。
調ごとの雰囲気やメロディの違いを味わうことができるので、長調や短調を学習する際に補助教材として使用できそうです。
⑦KANDINSKY(カディンスキー)
描いた図が音になるツールです。
↑実際の操作画面
丸や三角などの図形を書くと、こんな風にちょっとした音楽が出来上がります。
お絵描きするだけなので、楽譜が苦手な生徒でも楽しみながら音楽づくりができますよね。
本格的な旋律づくりには不向きですが、音楽創作への意欲や図形楽譜への興味をもたせることには役立ちそうです。
⑧PIANO ROLL(ピアノロール)
オルゴールや自動ピアノの紙製ロールから着想を得た自動演奏ツール。
↑実際の操作画面(運命)
以下の5曲の演奏情報が入っていて、ピアノか電子音、自分の声で演奏させることができます。
・トルコ行進曲
・交響曲第5番ハ短調(運命)
・メヌエット
・ジムノペディ1番
マイクで録音した自分の声で曲を演奏させたり、ロールを自分で動かしてリズムや速度を変えたり、楽しく遊べそうな感じ。

中学校では、「交響曲第5番ハ短調(運命)」を扱う際に、旋律やリズム、音の重なり合いなど音楽の構造を視覚的に理解させるのに役立つと思いました。
→私の授業実践例はこちら(ピアノロールについて少し触れています)
⑨MELODY MAKER(メロディメーカー)
ポチポチ入力するだけで旋律づくりができるツール。
↑実際の操作画面
前述のソングメーカーと似ていますが、こちらは基本的に単旋律しか作れません。(反復機能を使えば副旋律は可能)
ゆえに、操作は簡単で、音の入力とテンポの変更だけ覚えればOK。
より本格的な音楽づくりを行うならソングメーカーの方が良いですが、単純な旋律創作や音程の上がり下がりの確認だけなら、メロディメーカーでも十分です。
歌唱授業の際に旋律を入力すれば、音程を視覚的に捉えさせることができるので、音取りの苦手な生徒には役立ちそう。
ただ、ソングメーカー同様、音は伸ばせませんので、悪しからず。
⑩CHORDS(和音)
ピアノの鍵盤上で和音(コード)の確認ができるツール。
↑実際の操作画面
鍵盤を1音クリックすると、その音から始まる長三和音と短三和音の鍵盤に色が付き、音が流れる仕組みとなっています。
和音の仕組みを学ぶのに活用できるのはもちろん、和音の音を生かした旋律づくりにも役立ちそうです。
まとめ Chrome Music Labで音楽授業をより豊かに!
さて、この記事ではChrome Music Labの特徴と音楽授業における活用アイディアをご紹介しました。
何か取り入れてみたいツールはありましたか?
どのツールも遊びながら音や音楽の仕組みを学べるので、適切な方法で取り入れれば音楽授業の幅が広がると思います。
他にも面白いツールはあるので、ぜひご自身でいろいろと試してみてくださいね。
↓OSCILLATORS(発振器)の操作画面
記事内の画像・動画は、全てChrome Music Labから引用しました。
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